最近、「視覚優位」「聴覚優位」という言葉をよく耳にするようになりました。
私自身は「視覚優位」で、目で見て覚えることが得意なタイプです。記憶力はいい方でした。
自分が子供の頃はよくわかっていませんでしたが、大人になった今振り返ってみると、視覚優位の特長と思われる勉強法を自然にしていたように思います。
この記事では、私が高校生の時に実際にやっていた勉強法を小学生~中学生の子供向けにアレンジしてまとめました。
他の人から見ればおかしな勉強法かもしれませんが、勉強法なんて人それぞれです。
視覚優位で記憶力のいい子にはこの方法が絶対ということではなく、こんな方法もあるんだなと軽い気持ちで読んでください。
漢字は書くより見て覚える

漢字が得意な場合
漢字は見るだけでもかなり覚えられます。
学校の宿題に漢字練習があるなら、書く練習はそれだけで十分かもしれません。
漢字を覚えるという目的だけなら必要以上の漢字練習はいらないし、無理にやらせれば勉強が嫌いになるだけです。
試験対策などで漢字を強化したい場合は、漢字練習から始めるのではなく、いきなり書き取りのテストをしてみます。
テストでまちがえた漢字のみ練習すればOKです。
漢字が苦手な場合
漢字の書きまちがいが多いのは、漢字の細かい部分を見ていないためです。

漢字の形を1字ずつじっくり見る機会を作りましょう。
子供に漢字の形に興味を持たせるには、漢字の「なりたち」が学べる本がおすすめです。
どちらも漢字のなりたちや意味を知ることができて、見て覚えることが得意なお子さんにはピッタリの本です。
ドラえもんの国語おもしろ攻略 絵で見ておぼえる小学漢字1026は、題名のとおり「見て覚える」ことをコンセプトに作られた本です。
ドラえもんのマンガで楽しく漢字を学べます。


漢字なりたちブックは、一つ一つの漢字が大きく美しい字体で書かれていて見やすいです。
説明部分の漢字にはすべてふりがながふってあるので、低学年のうちに高学年で習う漢字を学ぶこともできます。




算数・数学の問題は解き方を思い浮かべてみる


算数・数学が得意な場合
基本的な計算がそれなりのスピードと正確さでできているなら、実際に問題を紙に書いて解く練習はあまり必要ありません。
私自身がやっていた勉強法は↓これです。
解き方が思い浮かんだ場合も、思い浮かばない場合も答えを見る
思い浮かんだ解き方がまちがっていた場合や、そもそも思い浮かばなかった場合は、答えを見て解き方を覚える
解き方を考えるだけで、実際に紙に書いて計算したりはしません。時間がかかってしまうからです。
この方法で勉強すると進み方が非常に速いので、あっという間に教科書や参考書を1冊勉強し終えることができます。



参考書はあれこれ何冊も買わずに、お気に入りのものを完ぺきに理解するまで繰り返し勉強するのがおすすめ!
算数・数学が苦手な場合
計算が苦手な場合は、百ます計算のように同じ計算を繰り返すような練習をするといいと思います。
繰り返すことによって答えそのものを覚えてしまうものも増えますし、正確な答えは覚えなくても出した答えが正しいかどうかおおよそわかってくるようになります。
記憶力をいかして、よく使う計算は答えを覚えてしまうのもおすすめです。
【覚えておきたいよく使う計算の例】
●平方数
11 × 11 = 121
12 × 12 = 144
13 × 13 = 169 など
●円周率を使った計算
3.14 × 2 = 6.28
3.14 × 3 = 9.42
3.14 × 4 = 12.56 など



「受験 暗記 計算」「受験 暗記 数字」など、ネットで検索すると、覚えると役に立つ計算や数字が色々出てくるよ!
計算は得意だけど複雑な問題が苦手という場合、とにかく難しい問題を解く練習をどんどんすればいいかというと、そうでもありません。
いろいろやりすぎると、記憶力がいいだけにたくさんの要素を覚えすぎてしまいます。
覚えすぎてしまうと、いざ問題を解こうとした時に、覚えたことの中でどれを使えばいいのか思い出す作業に時間がかかってしまいます。
結局思い出せず、問題が解けないという場合もあるでしょう。
あまり学習範囲を広げずに、教科書・教科書ガイド・お気に入りの参考書などお子さんのレベルに合ったものをどれか1冊決めて、その1冊だけをまるごと覚えてしまうくらい繰り返しやってみることをおすすめします。
大事なところにマーカーを引く必要はない
教科書や参考書などの大事なところは、蛍光ペンや赤ペンなどで線を引いて目立つようにするのが一般的です。
しかし、私はあまり好きではありませんでした。
開いたページに目立ちすぎる箇所があると、そこばかり目に入ってしまうからです。
あえて大事なところにマーカーを引かないことによって、ページ全体の内容を頭に入れることができます。



マークシート方式の試験ならなんとかなっても、文章で回答する問題が多い難しい試験の場合には、大事なところだけ覚えても通用しない場合があるね!
ただし、学校では授業中に先生から「ここに線を引いて」と言われることがありますよね。
私はあまり目立たないように黄色の色鉛筆で線を引いていました。
黄色の色鉛筆だと線が多少曲がっても目立たず気にならないので、定規を使わずにフリーハンドでさっと引けるのもよかったです。
もちろん、マーカーを引いたほうが覚えやすいというお子さんもいるでしょう。
お子さんが好きな色の筆記用具を、自由に選ばせてあげるとよいと思います。
参考書や問題集は見た目が好きなものを選ぶ


例えば小学生向けの国語辞典はカラー印刷と白黒印刷の2種類があります。
目で見て覚えるならわかりやすいカラー印刷のものがいいと思うかもしれませんが、そうでもありません。
色に気をとられて、書いてあることが頭に入りにくい場合もあります。
開いたページを写真をとるような感覚で記憶するお子さんであれば、お子さん自身が本の中身を見て好きなものを選ばせてあげるとよいと思います。
例えば私の場合、↓以下の要素が気になります。
●本(ページ)の大きさ
→一度に覚えやすい大きさがある。
●色使い
→自分が見やすい色使いがよい。内容によっては白黒のほうがいい場合もある。
●図や文章の配置
→自分が見やすい配置がよい。
●フォント(字体)
→自分の好きなフォントがよい。あまり好きでないフォントだと覚えにくい。
これらの要素をいちいち気にしていたわけではありません。
実際には本のページを開いてパッと見で「見やすい!」と思ったものを選んでいました。
口コミやレビューで評判のよい人気の参考書でも、お子さん本人が「見にくい」と感じるものはあまりおすすめしません。
視覚優位の子供にとって、「見やすさ」はとても大事です。
覚えるだけでなく思い出すことが大事
子供がテストでまちがいがあった時、後から正解を見て「知ってたけど思い出せなかった」という場合があります。
このようなまちがいを減らすためには、ひたすら色々なことを覚えるのではなく、覚えたことを思い出す練習をしたほうがよいです。



せっかくたくさんのことを覚えても、必要な時に思い出せないともったいないよ!
私の場合、歴史など暗記が必要な教科の場合、教科書を読みながら覚えつつ、時々目を閉じて本当に覚えたかどうか頭の中に教科書のページを思い浮かべるという作業をしていました。
覚えたことを頭の中で思い浮かべる練習をすることで、試験やテストの時にも必要な記憶がすっと出てくるようになります。
勉強法に絶対はない


私が小学生の頃は宿題が結構多くて、漢字練習も1日数ページありました。
よく「書いて練習しないと覚えられない。何回も書けば手が覚える。」というようなことを言われましたが、その度に私は「覚えるのは手じゃなくて目じゃないの?」と思っていました。
幸い、私の父や母は「勉強しなさい」とほとんど言わないタイプで、私の勉強の仕方についても何も言わなかったので、自分の好きなようにすることができました。
もし逆に親からあれこれ口出しをされていたら、勉強が大嫌いになっていたかもしれません。
最初にも言いましたが、勉強法なんて人それぞれです。
親がやってよかった勉強法が、子供に絶対合うわけではありません。
お子さんが自分なりの方法で勉強している時、親がいいと思うやり方と違っていても頭ごなしに否定せず、なぜそのやり方なのかを考えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。