小学2年生で習う「主語と述語の見分け方」は苦手な子どもも多く、高学年になっても理解していない場合があります。
この記事では、主語と述語の見分け方を小学生にもわかりやすく解説します。
小学生がわかる主語と述語の見分け方
主語・述語とはなにか?
主語と述語は、小学生2年生の国語の教科書では以下のように説明されています。
主語は
誰が、誰は
何が、何は
に当たる言葉
述語は
どうした、どうする
どんなだ
なんだ
に当たる言葉
かんたんそうでも、子どもにとっては意外と難しいです。
主語と述語の具体的な例文
赤字が主語で、青字が述語です。
私は 妹です。
私は彼女の妹です。
犬が 走る。
大きな犬が 楽しそうに走る。
白い毛の大きな犬が 楽しそうに花だんのまわりをぐるぐる走る。
「私は妹です。」「犬が走る。」というような短い文なら主語と述語はすぐにわかります。
長文になるとだんだん見分けるのが難しくなってきます。
なぜ主語と述語の見分け方が難しいのか?
主語と述語をわかりやすく子どもに教えようとする場合、↓このような説明をしますよね。
「何がどうする」の「何が」が主語で「どうする」が述語だよ。
しかし国語が苦手な子どもは、文の中から「何がどうする」を見つけること自体が難しいです。
文の中から「何がどうする」を見つけられないため、主語・述語がわからないのです。
わが家の子ども達も、主語と述語の問題が苦手でした。「何がどうする」という説明がピンとこないようです(汗)
主語と述語の見分け方
主語と述語の見分け方のポイントは3つ!
主語と述語の見分け方のポイントは3つです。
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】
1.最初に述語をさがす。述語は文章の最後にある。
2.主語は「が・は」がついた言葉をさがす。
3.述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する。
3つのポイントについて、わかりやすく解説します!
最初に述語をさがす・述語は文章の最後にある
主語と述語の問題を解くときは、主語より述語を探すほうが簡単なので必ず述語から先に探します。
【述語の例】文章の最後が述語(青字)です。
・私はとても辛いカレーライスを食べました。
・日本で一番高い山は富士山です。
例外的に述語が最後でない場合もあります。
【参考:述語が文章の最後でない例】
『例文:私は約束を守ります、絶対に。』
「倒置法(とうちほう)」といって、主語や述語などの並び順を普通とは逆にして、言いたいことを強調するなどの効果をねらった表現の方法があります。
文章を普通の並び順になおせば「私は絶対に約束は守ります。」または「私は約束は絶対に守ります。」なので、述語は最後の「守ります」です。
主語は「が・は」がついた言葉をさがす
小学校の国語の教科書にのっている主語の説明は、「〜が」と「〜は」のみです。
とにかく「が・は」を覚えましょう!
中学の国語では、「が・は」以外に「も・だけ・さえ・まで・でも・こそ」などがついた言葉も主語になる場合が出てきます。
【「が・は」以外の主語の例】
赤字が主語です。
・妹も歌う。
・妹だけ歌う。
・小学生さえ完走した。
・あなたまで私を疑うのか。
【光村図書 国語1より引用】
小学生はまず「が・は」を覚えましょう。余裕があれば、他にもあるということを知っておきましょう。
【参考】「が・は」がついた言葉でも、主語でない場合もあります。小学生向けでは出題されることはほぼないので、あまり気にしなくてよいでしょう。
述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する
【主語と述語があっているかどうか、かんたんに確認する方法】
→「述語」を質問にして、質問の答えが「主語」なら正解。
実際に文の中から主語と述語をさがして、あっているかどうか確認するまでのやり方を、3つの例文でわかりやすく説明します。
このやり方をマスターすれば、主語と述語の問題でまちがえることはほぼなくなります!
【例文1】きれいなチューリップが花だんいっぱいに咲きました。
述語は文章の最後なので、「咲きました」が述語。
「が」がついている「チューリップが」が主語。
述語の「咲きました」を質問にすると「咲いたのはなに?」。
咲いたのは「チューリップ」なので、主語は「チューリップが」で正解。
【参考】この問題で、まちがえて「花だんに」が主語だと考えた場合はどうでしょう?
述語の「咲きました」を質問にして「咲いたのはなに?」と考えると、咲いたのは「チューリップ」であって「花だん」ではないですよね。
なので「花だんに」は主語ではないとわかります。
【例文2】私の好きなお菓子はいちご味のチョコレートです。
述語は文章の最後なので、「チョコレートです」が述語。
「は」がついている「お菓子は」が主語。
述語の「チョコレートです」を質問にすると、「チョコレートはなに?」。
チョコレートは「お菓子」なので、主語は「お菓子は」で正解。
【例文3】私はがんばって走ったので徒競走で1位だった。
述語は文章の最後なので、「1位だった」が述語。
「は」がついている「私は」が主語。
述語の「1位だった」を質問にすると、「1位だったのは誰?」。
1位だったのは「私」なので、主語は「私は」で正解。
主語と述語の見分け方が学べるドリル
主語と述語の見分け方がわかったら、ドリルなどで練習して完璧に仕上げましょう!
国語の問題で出題される主語と述語の問題には一定のパターンがあります。
ドリルで繰り返し問題を解くことにより、主語・述語問題の出題パターンに慣れてしっかり理解することができます。
小学校低学年向けドリル
小学校低学年のお子さんにおすすめなのは、「くもんのにがてたいじドリル 小学3年生 主語と述語」です。
「にがてたいじ」という名のとおり、子どもがつまずきやすいところをピンポイントで解決してくれるドリルです。
かんたんな問題から少しずつ難しい問題に進むので、子どもも取り組みやすいです。
小学校高学年・中学受験向けドリル
小学校高学年または中学受験予定のお子さんにおすすめなのは「文の組み立て特訓 主語・述語専科 」(国語読解の特訓シリーズ 29)です。
単に主語と述語を理解するためでなく、主語と述語を理解することで読解力を上げることを目的としたドリルです。
問題はやや難しいものもあり、小学生向けのテストにはほとんど出ない「倒置法」の問題ものっています。
しかし実際に問題を解いていくと、最初は難しいと感じた問題が最後にはするする解けるようになると評価の高い口コミも多いです。
ドリルの内容はエム・アクセスのサイトで一部公開されています。
▶ドリルの内容を見る場合はこちら
【参考】主語とまちがいやすい「に・を」
「に・を」がつく言葉は主語ではない
見分け方のポイントとして、主語は「が・は」(+ も・だけ・さえ・まで・でも・こそ)がつく言葉だと説明しました。
主語とまちがいやすいものに「に・を」がつく言葉があります。
【例文1】兄は妹に勉強を教えた。
主語:兄は
述語:教えた
「妹に」は主語ではない。
【例文2】私は本棚から1冊の本を取り出した。
主語:私は
述語:取り出した
「本を」は主語ではない。
「に・を」がつく言葉を主語とまちがえてしまう原因
この記事の最初のほうで、主語と述語を教える時によくある説明を紹介しました。
「何がどうする」の「何が」が主語で「どうする」が述語だよ。
この説明の意味を子どもがよくわかっていないと、「に・を」のついた言葉を主語だと勘違いしてしまうことがあります。
【主語をまちがってしまう例】
【例文1】兄は妹に勉強を教える。
→「何がどうする」は「妹に教える」だから、「妹に」が主語だ。←✕
→主語は「兄は」が正解。
【例文2】私は本棚から1冊の本を取り出した。
→「何がどうする(どうした)」は「本を取り出した」だから、「本を」が主語だ。←✕
→主語は「私は」が正解。
【参考】複文と重文
1つの文に主語と述語の関係が2組以上ある文として、「複文(ふくぶん)」と「重文(じゅうぶん)」があります。
1つの文の主語と述語の関係が2組以上ある「複文」と「重文」は、小学5年生・6年生で習います。
小学校6年生の教科書では、以下のように説明されています。
一つの文の中に、主語と述語の関係が二つ以上出てくる場合もあります。
【引用元:光村図書「国語六 創造」】
①枝が のび、葉が しげる。
②ぼくが 植えた 木が 育った。
①の文には、「枝が−−のび」と「葉が−−しげる」の二つの主語と述語の関係があり、対等に並んでいます。②の文にも二組の主語と述語の関係がありますが、この文で中心となるのは、「木が−−育った」です。「ぼくが−−植えた」は、この文の中心の主語である、「木が」を修飾する言葉です。
「重文と複文」は小学生の国語の中ではすこし難しい内容です。
まずは「単文」(1つの文に主語と述語の関係が1組だけある文)の主語と述語を確実に見分けられるようにしましょう。
【主語と述語の見分け方】まとめ
国語の学習において、「主語と述語の見分け方」は単なる文法の問題というだけではありません。
「その文でいちばん言いたいことはなにか」を理解するためには、主語と述語を見分けることが重要なのです。
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】
1.述語は文章の最後
2.主語は「が・は」がついた言葉をさがす
3.述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】をマスターして、ぜひ主語と述語の問題を得意にしてください!
主語と述語がわかるようになれば、読解力も上がりますよ!
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